●セリ市場での厳しさについて 私なりに、改めて関係者の方に問い合わせしました。
注:「外浦」とは能登半島の西側、「内浦」とは能登半島の東側です。 > ご質問の件ですが、現在出漁しているのは、外浦地域では底引き網、内浦側は底 > 引きと定置網です。もちろん磯の、例えば、岩のり取りもありますが、これは漂着 > すれば、まずだめでしょうから出荷はないと思います。 > 関心はそれよりも、ズワイガニ・アマエビ・カレイ類になると思いますが、これ > らを対象にしている底引き網は現在漁場が油が漂流していたところより沖で、直接 > は問題ありません。仮に油が沈み始めていたとしても、漁場ではありません。だか > らほとんど心配ないはずです。 > 内浦の定置網ですが、定置網が多くある富山湾周辺には今回の油は漂流しており > ませんから大丈夫です。富山県には漂着しなかったのはご存じと思いますが、七尾 > から能都町にかけては無事です。 > いまのところ、油の付いた魚、油の臭いのする魚は、市場へ持ち込まないという > 方針で一致していますから大丈夫でしょう。魚屋にある魚は全部危ないという短絡 > 的な思いこみは避けていただきたいですね。
> 重油は、表面に浮遊しているので、海中の水産物には影響が無い。 > 岩礁の表面に付く岩海苔は壊滅状態で出荷どころではない。 > 水産物は、重油が付着すると、一目瞭然で判別できるので、 > そのようなものは、商品として流通されない。 > こういう時期なので、疑わしいものは破棄処分にする。
結論としては、卸し業者も含めて大変厳しい。ということです。 下手に疑われるものを出した途端、卸売市場からは追放ですから。 日本は、流通機構が多段なお蔭で、何度もチェックを受けたものだけが 最終市場である小売に出まわっている事になるのです。 にも拘らず、消費者に近い市場ほど、「感覚的忌避」が重きをなして、 日本海水産資源が避けられつつあると言う事態なのです。 逆に風評で取り扱いを中止する流通業者は、 見分ける眼に自信が方かも知れません。 そのような方が居られない事を願っています。 本当は、卸し売り市場の品質に関する普段からの厳しさを、 PRした方が良いのかも知れません。 市場関係者の眼の方が、消費者の眼よりも格段に厳しいのは お解り頂けると存じます。 普通、消費者は養殖モノと天然モノの区別がつかない筈です。 漁師さんや、市場関係者は当然ながら区別できないと、商売になりません。 定置網と言う漁法は、魚群が網に入ってもしばらく生簀(のようなもの)に 活かして置けるので、値が上がるタイミングで出荷できるのですが、 市場関係者は「何日くらい入れていたか」も判ってしまいます。 あまり長いと値が下がります。 驚かれると存じますが、これは本当です。 漁師とセリ人の真剣勝負なのです。 「感覚」などまかり通らない程の厳しい世界です。 漁師さん達も、如何にしたら魚に傷を付けずに 市場まで持って行けるか研究しています。 折角獲っても、傷物が混じっていると、 持ち込んだ分、全ての値が影響を受けます。 下手なものを持ち込んだら、評判が下がって次回以降も大変です。 最悪の場合、値がつきません。 それは、捨てられるか、良くても肥料になるかと言う事なのです。 漁業関係者にも評判と言うブランドがあるのです。 ホトケの顔は3度かも知れませんが、 評判はたった1回で地に落ちてしまいます。 田舎ですから、素性も割れており、回復は相当困難です。 「こんな厳しいところに、わざわざ変なものを持ち込むことは、できない」 という事なのです。 戻る